Ego
「私の絶望は海よりも深い」 「君が知る海の深さなどたかが知れている」
しかし、人生というのはどうしてこうもいいかげんなんだ。 こちとら必死になって整えているのに、 そのそばからボロボロと崩れていきやがる。 まったく、きりがねぇ。
「不安だ」 「何が」 「はっきりしない」 「はっきりしない方がお互いにとって幸せだったらそれでいいじゃない」 「でも僕は不安だ」 「だいたいね、はっきりした時が終わりなのよ」 「解っている、でもこの生殺しの状態には耐えられない」 「そんなにはっき…
「そして僕の周りは墓標だらけになる」 「それってさぁ、生きづらくない?」 「生きづらい」 「だったら捨てちゃえばいいじゃない」 「捨てられない」 「だからあんたはいつまでたっても前に進めないのよ」 「前に進みたくない」 「だったら一生そこでひざ抱…
そんなに慌ててかきこむなよ、お腹壊すぞ 「でも、どうしても止まらないんだ。なんでだろ」 それはお前が飢えていたからだ。だが、飢えているときに慌てて詰め込んでも吐き出してしまうだけだぞ 「解っているさ。でも、解っていても止まらないんだよ」 「し…
「なんでみんな、『健康、健康』っていうんだ。僕は僕なりに努力してどうにかしようとしているのに」 「あれで?」 「そうさ。だから人に健康状態を心配されるといらいらするんだ。『お前は努力を怠っている。お前は自分を大切にしていない。そのせいで周り…
「僕は君の重荷にはなりたくないんだ」 「だったらそんなこと言わなきゃいいのに」 「解った。もう言わない」 「だから、そんなこと言わなきゃいいのにって」 「ううう・・・」 「何よ、言いたいことあるなら言いなさい」 「僕はどうすればいいのさ。言えば…
「僕が君の重荷になるようだったらいつでも捨ててくれていいから」 「うん。じゃあ、さよなら。今までありがとう」 「え」 「だって、『捨てて欲しい』って言うから」 「い、いや、僕は君の重荷になりたくないって・・・」 「それ、重たいから」
「これはアナタが望んだ孤独」 「違う、僕はもう独りになりたくない」 「アナタの望みはまた元の孤独に帰ること」 「違う、もうあの暗闇の中には帰りたくない」 「アナタは安息を得たいと思っている」 「僕の安息はそこにはなかった」 「アナタは不安な気持…
「ああ、やはり僕は失ってしまうのか」 「あなたがそう望めばね」 「そうか、やはり君も僕を見捨ててしまうのか」 「あなたがそう望めばね」 「やはり僕は人を不幸にする」 「あなたがそう望めばね」 「やはり僕は人を駄目にしてしまう」 「あなたがそう望め…
「僕はみんなに幸せになって欲しいんだ。」 「・・・なんで?じゃあ、私はどうなるの?」 「違うよ、勿論君にも幸せになって欲しい。」 「君にも・・・って、なんで私だけじゃいけないの?」 「違う。いいかい、僕は博愛主義者じゃない、そうじゃなくって、…
「いい?『あなたのため』と言わずに『私自身の満足のため』と言いなさい。」 「はい。」 「いい?『あなたのことを思って』と言わずに『私がそうしたかったから』と言いなさい。」 「はい。」 「いい?『あたなを悲しませたくないから』と言わずに、『私が…
「なあ。近いうちに、仕事か人間か人生をやめようと思うのだが。」 「どうせならみんなやめちゃえば。」 「・・・それもそうか。」
「わしからのクリスマスプレゼントだ」 「これは・・・」 「そう、君はこれまでよくがんばってきた。」 「いいんですか。僕は、これで、もう・・・」 「ああ。十分だ。君はそれを受け取るだけのことをしてきたのだから。さあ、おいきなさい。もう、いっても…
キキーッ 「このガキ!どこ見て歩いてやがる!殺されたいのか!」 「・・はい。」 「あん?てめぇ、なめてんのか!ひき殺すぞボケ!」 「そう・・・してくださぃ」 「なんだコイツ。死にたきゃてめぇで勝手に死ね!くたばれ!」 「・・・・・・。」
「あなたは恋をしているんじゃないかと思うの。」 「そうですか。」 「絶対にそうだわ。」 「まあ、そうかもしれません。」 意外に素直じゃない。 「で。誰なの。」 「それは・・・勘弁してください。」 「わかった。いつか教えてね。」 「はい。」 死んだっ…
たぶん僕には何らかの才能があるんだと思う。 でも僕は才能というものを相対的じゃなくて絶対的なものと考えるから、村上春樹や三島由紀夫に才能が無いように、僕にも才能なんてないんだと考える。 そもそも僕はここに存在していないかも知れないんだ。 そん…
いつになったらあなたはあなた自身を認めてあげるのですか いつになったらあなたはあなた自身を許してあげるのですか
"うるさい" そう言って男は去っていった。 爾来、彼の姿を見た者はいない。